ペン対応や折りたためるなど独自の技術を盛り込んだ高機能スマホとして日本でも
有名な「Galaxy」ですが、どこの国のメーカーか気になっている人も多いはずです。
ではGalaxyはどこの国のメーカーのスマホなのかなどについて詳しく見ていきましょう。
Galaxyは韓国メーカーのスマホ
最初に結論を言ってしまいますが、Galaxyは韓国メーカーのスマホです。
「Samsung Electronics(サムスン電子)」のブランド名が「Galaxy」で、スマホ以外にも
・タブレット
・スマートウォッチ
・ワイヤレスイヤホン
でGalaxyのブランド名が使われています。
サムスン電子は韓国最大の財閥であるサムスングループの中核をなす企業で、
スマホのシェアは世界1位です。
スマホだけでなく薄型テレビや半導体、中小型の有機ELディスプレイのシェアでも
1位を獲得しています。
2010年のサムスン電子の売上高は韓国のGDPの22%に達するなど、
サムスン電子は韓国国内はもちろんアジア・世界でも指折りの大企業なのです。
日本でGalaxyがサムスン電子の製品だと広く知られていない理由
初代iPhoneが発売された2007年頃からスマホを使い始めている人は、
Galaxyが韓国のサムスン電子の製品だと知っているケースも多いです。
ところが10代20代といったこの10年ぐらいの間にスマホを使い始めた人の中には、
Galaxyが韓国メーカーのスマホだと知らない人も少なからず居ます。
最近はGalaxyが韓国メーカーのスマホだと知らない人が増えているのは、
日本でのGalaxyの広告からサムスン電子の名前が消えたからです。
2014年頃まではGalaxyの広告にはサムスン電子の名前が使われていましたし、
Galaxyの本体にも「SAMSUNG」のロゴが使われていました。
しかし日韓関係が悪化したことで2015年3月からGalaxyの広告に
サムスン電子の名前は使われなくなったのです。
サムスン電子ジャパンの公式サイトのドメインも「samsung.com」ではなく
「galaxymobile.jp」という日本独自のものを使うほど徹底していました。
2015年から10年近くに渡ってGalaxyの広告にサムスン電子の名前を使わなかった
ことで、Galaxyがサムスン電子のスマホであると知らない人が増えたわけです。
ただ日韓関係に改善が見られた2023年2月からはGalaxyの広告に
サムスン電子の名前が再び使われるようになっています。
2023年2月以降に発売されたGalaxy本体にも「SAMSUNG」のロゴが
使われていますし、公式サイトのドメインも「samsung.com」に変更されています。
(参照:https://www.samsung.com/jp/)
サムスン電子と日本の関係は深い?
Galaxyが韓国のサムスン電子のスマホと知って驚いた人も居るかもしれませんが、
実はサムスン電子と日本には浅からぬ関係があるのです。
サムスングループの前身である三星商会が電機事業に進出する際、
日本の三洋電機やNECが協力しています。
1991年のバブル崩壊による事業縮小、大量リストラで職を失った日本人技術者の
受け皿となったのがサムスン電子でした。
サムスン電子の躍進は韓国政府のバックアップによるところが大きいですが、
日本企業や日本人技術者も多少貢献しているのです。
Galaxyが作られているのは韓国とベトナム
Galaxyの製造工場は韓国、ベトナム、インドネシア、インド、パキスタンにあります。
韓国の工場では主にハイエンドモデルを製造しており、
インドやパキスタンでは低価格帯のモデルを主に作っています。
ベトナムではミドルクラスならハイエンドまで幅広く作っており、
日本向けのスマホは韓国製もしくはベトナム製です。
パソコンに詳しい人なら「電子機器の製造と言えば中国」と思うかもしれませんが、
現在中国にはGalaxyの製造工場はありません。
以前は中国でGalaxyを製造していたものの、
中国国内でGalaxyが使われる割合が減ったために中国での製造から撤退しました。
現在日本でGalaxyを購入すると、韓国かベトナムで作られたものを使うことになります。
Galaxyの人気が低いのは日本だけ?
日本市場ではGalaxyはあまり人気が無いので、世界シェアでGalaxyが1位と
なっていることに違和感を覚える日本人も多いかもしれません。
実際に2022年度の日本におけるスマホシェアではサムスン電子は4位、
2023年第1四半期はサムスン電子は5位となっています。
日本では圧倒的にiPhoneが人気で、2022年度も2023年第1四半期も
Appleが50%を超えるシェアで1位を獲得しているのです。
日本におけるスマホシェアはiPhoneが約7割でAndroidが約3割ですが、
世界のスマホシェアを見るとその割合がひっくり返ります。
AndroidユーザーよりiPhoneユーザーが多いのは日本だけではないものの、
日本は世界の中でiPhone人気が最も高いです。
世界で見るとAndroidユーザーの方が多く、
その中でもGalaxyを使っている人の割合が一番多くなっています。
Galaxyに潜むリスク
Galaxyが日本では他国ほど人気が無いのには、
韓国メーカーのスマホ以外にもいくつかリスクがあるからです。
その1つが「発火」のリスクです。
2016年には「Galaxy NOTE 7」、2021年には「Galaxy A21」、
2022年には「Galaxy S22 Ultra」が発火する事例が発生しています。
使い方に問題があったケースもあるでしょうが、少なくともNOTE 7の発火については
サムスン電子側に技術的な問題があったことが分かっています。
スマホは常時持ち歩くものですし、就寝時も枕元に置いていることが多いです。
物理的に身近なものだけに発火すると命の危険を伴うので、
世界での発火事例が日本でのGalaxy人気を下げる大きな要因となっているのです。
ただし外部から強い圧力を加えたり、純正以外の充電器・ケーブルを使って
充電するなどで発火する危険性はどのスマホにもあります。
実際にiPhoneなどGalaxy以外のスマホでも発火した事例が世界で報告されており、
決して発火リスクがあるのはGalaxyだけではありません。
電圧の高い急速充電器の使用は特にスマホ内部が高温になりやすいので、
純正品以外を使うのは避ける方が良いでしょう。
Galaxyにはセキュリティリスクも
Galaxyには発火リスクだけでなく「セキュリティリスク」もあります。
2022年4月にAndroid9~12のバージョンが搭載されているGalaxyを中心とした
サムスン電子のスマホに脆弱性が発見されました。
脆弱性が発見されたことでセキュリティリスクに晒されたGalaxyを含む
サムスン電子のスマホの数は何と世界で1億台にも上ります。
サムスン電子が配布している修正パッチを使うか、
Androidをバージョンアップすることでセキュリティリスクは回避可能です。
今回はサムスン電子の対応が早かったものの、
脆弱性は設計上の欠陥が原因とも言われています。
もちろん過去に脆弱性が発見されたのはGalaxyだけではありませんが、
Galaxyの使用に不安を感じても仕方がありません。
サムスン電子が発火を隠ぺいしようとした?
Galaxyが発火した一部の事例で、サムスン電子が発火したことを
隠ぺいしようとしたこともGalaxyの日本における印象を悪くしています。
2016年にはNOTE 7から煙が上がっている動画を公開した人に対して、
「動画を非公開にすれば現金を渡す」とサムスン電子社員が持ち掛けました。
2018年にオーストラリアでGalaxyが発火した際には、被害者に対して「写真を
公開せず、発火を内密にしておくように」とサムスン電子が依頼したとされています。
サムスン電子としては原因や事実関係が分かるまで事態を大きくしたくないだけで、
隠ぺいする意図はなかったと思います。
しかし一般的に見れば隠ぺいの意図があったと思われても仕方が無く、
特に倫理面を重んじる日本でサムスン電子の印象が悪くなったのではないでしょうか。
ただサムスン電子に限らず、
大きな企業ほど不祥事を隠そうとするケースが少なくありません。
Galaxyには世界初の独自技術が詰まっている
日本ではあまり人気がないものの、
Galaxyには世界で初めての独自技術が詰まっているのです。
例えば折り畳み式のスマホで、ディスプレイが折り畳める技術です。
正確には中国のRoyoleが世界で初めてディスプレイを折り畳むタイプのスマホを
発売したのですが、折り畳み式スマホが一般的に広まったのはGalaxyのおかげです。
現在はGalaxy以外もディスプレが折り畳めるタイプのスマホを発売しているものの、
折り畳み式はGalaxyのものがポピュラーで人気が高くなっています。
スマホの端まで画面が広がっている「Infinity Display」も
Galaxyが世界で初めて搭載しました。
従来は画面を大きくするにはスマホ本体を大きくしないといけませんでした。
しかし端まで画面を広げることで、
スマホ本体の大きさはそのままで画面だけ大きくすることができたのです。
サムスン電子が得意とする小型ディスプレイの技術を生かした高精彩ディスプレイや
カメラにも独自技術が詰め込まれています。
まとめ
Galaxyは韓国企業であるサムスン電子が作っているスマホです。
韓国メーカーであることから日本ではあまり人気が無いものの、
世界シェアは1位でiPhoneよりも利用者が多くなっています。
世界トップクラスの電機メーカーであるサムスン電子の技術の粋がGalaxyには
詰め込まれています。
新たにスマホを購入する際や買い替える際には、
食わず嫌いせずにGalaxyに選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。