高機能ながらリーズナブルで日本でもよく見かけるようになった「Redmi」、でもRedmiは
どこの国のメーカーが作ったスマホか知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで低価格帯のスマホとして人気が出てきているRedmiはどこの国のメーカーが
作ったスマホなのかなどについて詳しく見ていきましょう。
Redmiは中国メーカーのスマホ
最初に結論を言ってしまうと、Redmiは中国のメーカーが作ったスマホです。
具体的に言うと、「Xiaomi」というブランドのスマホを製造・販売している
「Xiaomi Inc.」というメーカーのサブブランドです。
フラッグシップモデルとハイエンドモデルのスマホはXiaomi、
ミドルレンジモデルとエントリーモデルのスマホはRedmiと色分けしています。
ただ「Redmi K」という高機能・高価格のハイエンドモデルをRedmiブランドで
販売しており、単純に価格帯で色分けしているわけではないようです。
Xiaomiは「中国のApple」
日本では中国メーカーのスマホは少し敬遠される傾向にありますが、
Redmiを製造しているXiaomiは「中国のApple」とも言われています。
Xiaomiは2010年創業のIT企業としてはLateComerではあるものの、
10年余りで世界トップクラスのIT企業へと成長しました。
その背景には、創業当初に徹底的にAppleに倣ったマーケティング手法を
用いていたことにあります。
通常のスマホメーカーは1年に複数回新作モデルを発売しますが、
Xiaomiはフラッグシップモデルは1年に1回しか新作を発売しません。
ネットのみで販売促進を行い、
流通などにかかるコストを抑えることでスマホを原価に近い価格で販売します。
スマホの販売で望めない利益は、ケースや保護フィルムなどのスマホアクセサリと
アフターサービスの提供で得ています。
こうした手法がAppleと全く同じで、Xiaomiを短期間で急成長させた賞賛と
多少の揶揄を込めて「中国のApple」と呼ばれているわけです。
LateComerがPioneerのやり方に倣うのはビジネスでは当たり前ですが、
Xiaomiほど成功するのは珍しいと言えます。
また全く同じやり方と言って良いほど倣うのも珍しいので、
「中国のApple」という呼び方には多少の揶揄も込められているのです。
Xiaomiは世界3位のスマホメーカー
日本ではRedmiやXiaomiはそれほどメジャーではありませんが、
世界で見るとXiaomiはシェア3位となっています。
総務省の情報通信白書(令和4年版)によると、GalaxyのSamsung、
iPhoneのAppleに次ぐ3位がXiaomiです。
(参照:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd235510.html#:~:text=%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%B8%82%E5%A0%B4%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E3%80%81%E6%83%85%E5%A0%B1%E7%AB%AF%E6%9C%AB,%EF%BC%85%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82)
アウンコンサルティングという会社が行った調査でも、
2022年12月時点のスマホ世界シェアでSamsung・Appleに続く3位となっています。
西アジアや東ヨーロッパでXiaomiは人気が高く、インドではシェア1位、
イランやトルコでもSamsungに次ぐシェア2位を獲得しているのです。
中国での人気も高く、人口の多いインド・中国でシェア上位となっていることもあって
世界全体でも3位のシェアを獲得しているというわけです。
Xiaomiは今や中国最大級の企業
Redmiを提供しているXiaomiは創業して10年余りですが、
今や中国でも最大級の企業へと成長しました。
元々はスマホメーカーとして創業し、2014年にタブレット・ノートPC、
ネット接続可能なテレビや空気清浄機といったスマート家電を発売します。
2016年には電動バイクや炊飯器を発売、
スマホやスマート家電を中心とした総合家電メーカーへと進化します。
現在は家電に留まらず、日用品や化粧品、台所用品、自転車、電気自動車、
ペットフード、草花、種子などなど幅広い事業を手掛けているのです。
商品や技術の輸出入、代理店業務なども行っており、
家電メーカーを超えた総合企業として中国でも最大級となっています。
Redmiを使うことにリスクはある?
Redmiが中華スマホだとすると、
セキュリティなどにリスクがあるのではないかと感じる人も少なくありません。
現状ではRedmiを含むXiaomiのスマホは中華スマホとしては危険性は低いと
言えますが、過去にはセキュリティリスクが指摘されたことがあります。
2020年には「Redmi Note 8」という機種で、
ユーザーデータが無断で中国企業に送信されていたことが判明しています。
Redmi Note 8でデフォルト設定されているXiaomiが開発した独自ブラウザを使うと、
閲覧したサイト情報などがアリババという中国企業のサーバーに送られていたのです。
またRedmiやXiaomiに組み込まれているクラウドサービス「Mi Cloud」が、
無断で情報を中国のサーバーに送っていたことも指摘されています。
本来はユーザーの承諾が無ければデータをサーバーに送りませんし、
Mi Cloudが有効になっていなければデータがサーバーに送られることはありません。
ところがMi Cloudはユーザーの承諾なしにデータをサーバーに送ったり、
無効なのにデータをサーバーに送っていたと言われているのです。
いずれもXiaomiは明確に否定しているものの、
スマホを使う側からするとセキュリティ面に若干の不安を感じます。
検閲が行われているという指摘も
2021年にはRedmiやXiaomiのスマホで検閲が行われていたのではないかという
指摘も受けています。
リトアニア国防省の報告書によると
・Free Tibet(チベットの自由)
・Long live Taiwanindependent(台湾独立万歳)
・democracy movement(民主運動)
といった言葉を検出する機能がRedmiやXiaomiに組み込まれていたとのことです。
こちらもXiaomi側は明確に否定していますが、
やはり少なからずRedmiやXiaomiに対して不信感を抱く要因となっています。
日本向けのスマホには検閲機能は発見されていない
特定の言葉を検出する機能がRedmiやXiaomiで発見されたのは
ヨーロッパ向けのモデルだけです。
ネットなどで色々と調べてみましたが、現状日本で販売されているRedmiやXiaomiの
モデルで検閲機能は発見されたという情報は見当たりませんでした。
中華スマホのセキュリティリスクは以前から指摘されており、
政府機関も含めて詳細な解析が行われています。
解析が行われているにも検閲機能が発見された情報が無いということは、
日本向けのRedmiやXiaomiには検閲機能が無い可能性が現状では高いと言えます。
Xiaomiは日本を嫌っている?
セキュリティリスクではありませんが、
企業としてのXiaomiが日本を嫌っていると取られかねない事象も発生しています。
それは日本語を専攻している中国人学生に対する差別発言です。
中国国内で開催された企業説明会でイノベーション部門の責任者が中国人学生に
対して「あなたが日本語専攻の学生なら出ていってください」と発言しました。
日本語を学んでいること自体を問題視する発言で、
「Xiaomiには日本語を話せる人材は不要」と言ってるのも同然です。
中国国内でもこの発言は大きな批判を受けており、Xiaomiは公式に謝罪文を発表して
発言したイノベーション部門の責任者にけん責処分を下しています。
けん責処分を受けたと言っても差別発言をした人はXiaomiの中に居るわけですから、
Xiaomi自体が日本に嫌悪感を持っていると思われても仕方がありません。
アメリカで投資規制は受けたが・・・
2021年にアメリカ国防省からXiaomiは投資規制を受けましたが、
現在は解除されています。
中国軍に対して技術や資金を提供しているのではないか、
と疑われたことで投資規制の対象にXiaomiが加えられました。
しかしXiaomi側が明確に中国軍との関係を否定してアメリカ連邦地裁に提訴、
連邦地裁はXiaomiの言い分を認めて規制対象から外すよう国防省に命じたのです。
アメリカの裁判所が中国企業の言い分を認めて国防省に不利な判決を
下したわけですから、Xiaomiは中国軍と関係が無い可能性が高いです。
Xiaomiへの投資規制はトランプ政権の最末期に起こったことで、科学的な先端技術や
専門技術を持つ中国企業が片っ端から標的にされただけと思われます。
同じ中国のスマホメーカーでも「Huawei」や「ZTE」は、中国政府や中国軍と
近しい関係にあるとして現在でもアメリカでは取引制限の対象となっています。
ただ中国には国の情報活動への協力を義務付ける国家情報法があり、
今後もXiaomiが現在の立ち位置を維持できるかは不透明です。
まとめ
RedmiはスマホメーカーXiaomiのサブブランドで、
どこの国で作られているかと言うと中国です。
現状ではHuaweiやZTEのような危険性は無く、海外ブランドのスマホとしては
日本でも比較的安全に使えるスマホブランドとなっています。
ただ今後も安全に使えるかは不透明ですから、
買い替えや新規購入でRedmiを選択肢に入れるなら慎重に検討してください。