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Lenovo、世界一のPCメーカーはどこの国で生まれたのか?

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高性能ながらリーズナブルな価格で人気な「Lenovo」のパソコンですが、
どこの国で作られているパソコンなのかご存知でしょうか?

今回はLenovoはどこの国のメーカーで、
パソコンはどこの国で作られているのかについて詳しく見ていきます。

     
   

Lenovoは中国のパソコンメーカー

「Lenovo」は中国に本社を置く中国のパソコンメーカーです。

2022年は世界でも日本でもLenovoはパソコンのシェア1位を獲得した
トップメーカーなのです。

1984年に中国科学院という研究機関の所員11名が設立した会社で、
1997年に中国国内でパソコンのシェア1位を獲得しました。

その後海外メーカーのPC部門を買収して勢力を拡大、
2013年にパソコンの世界シェアで1位となって以降その座を守り続けているのです。

LenovoはIBMのパソコン部門を買収している

Lenovoがパソコンの世界シェアで1位を獲得したのには、
アメリカのIBM社のパソコン部門を買収したことが大きく関わっています。

IBM社と言えば、
NASAと協力してアポロ計画を成功させるなどアメリカを代表するIT企業です。

現在でもアメリカの代表的な株価指数である「ダウ平均株価」を構成する
30銘柄の1つですし、企業別特許取得数も1位で影響力は衰えていません。

1990年代に業績が悪化したこともあって、2000年代に入ってから事業を選択して
コアとなる事業に資金や人材などを集中させる方向にシフトします。

その結果2004年に非コア事業となったパソコン部門がLenovoに売却されたのです。

一方買収した側のLenovoはIBM社の開発思想や技術、人材などを得たことで
勢力を拡大、2013年にパソコン世界シェアトップに躍り出ました。

Lenovoは日本企業のパソコン部門も買収している

Lenovoが買収したのはIBM社のパソコン部門だけでなく、
日本企業のパソコン部門も買収しています。

現在Lenovo傘下となっているのはNECと富士通のパソコン部門です。

NECと富士通は中国メーカーであるLenovoグループの一員として、
それぞれのブランでパソコンを販売しています。

「個人情報が詰まったパソコンは国産メーカーのものを使いたい」と考える人も
日本では多く、国産パソコンとしてNECや富士通は人気があります。

しかし実際にはNECも富士通もLenovoの傘下にあるので、
純粋な国産メーカーとは言えないのです。

ただしLenovo傘下なのはパソコン部門だけで、
IBMもNECも富士通も企業全体としてLenovo傘下に入っているわけではありません。

パソコン生産の中心は中国だが・・・

Lenovoのパソコンは基本的に中国にある工場で作られています。

ブラジルやトルコなど中国以外にも生産工場を持っていますが、
日本で購入できるLenovoのパソコンはほとんどが中国製です。

日本人の中には中国製品に対して良くないイメージを持っている人も多いですが、
パソコンなど通信機器に関しては中国製品は高性能の証しとも言えます。

中国には世界中の通信機器メーカーの工場があり、
今や中国は「世界の工場」とも呼ばれているのです。

通信機器に関する最先端技術も優秀な人材も中国に集まっていますから、
中国で作られる通信機器は品質が良いわけです。

ただLenovoブランドではなくNECや富士通のブランドで販売されているパソコンは
一部国内生産となっています。

NECは山形県にある工場でパソコンを作っており、
「米沢モデル」と言われる製品は国内生産です。

富士通も福島県と島根県にある自社工場でパソコンを作っており、
国内向けモデルの多くは福島県と島根県で作られています。

Lenovoパソコンの特徴

Lenovoのパソコンが世界で一番売れているのは「安いから」と考えている人が
多いかもしれません。

確かにLenovoのパソコンは安いのですが、
安いだけでなく機能性も備えているから世界で一番売れているのです。

今やLenovoはAIやIoTの分野で世界を牽引する存在となっており、
パソコンを含めて新しい技術や製品の開発に力を入れています。

要するにLenovoのパソコン性能には技術的な裏付けがあるというわけです。

性能面だけでなくデザインもスタイリッシュと評判で、
中にはLenovoのパソコンの見た目が気に入って購入する人も居るぐらいです。

2012年にはLenovoのノートパソコン「ThinkPad T430s/X230」が、
日本でグッドデザイン賞を受賞しています。
(参照:https://www.g-mark.org/gallery/winners/9d8980a9-803d-11ed-862b-0242ac130002)

使いやすさも高い評価を得ていて、
特にノートパソコンのキーボードの打鍵感が好評です。

指紋認証や虹彩認証が搭載されている機器も多く、
自分以外に人に使われる心配がないという点でのセキュリティ性能が高くなっています。

耐候性や耐衝撃性も高く、ハードウェアも高品質なものを使っているので
どんな環境でも故障や不具合が発生しにくいのです。

Lenovoのパソコンは100以上の種類があり、
製品によってはCPUやメモリなどのカスタイズができます。

カスタイズすることで自分に合ったパソコンが手に入るということでも、
Lenovoのパソコンは高い評価を受けています。

海外メーカーとしてはサポート面もしっかりしていますし、
これだけの性能で他メーカーより安いですから世界で一番売れているのも納得です。

     
   

Lenovoのパソコンは危険?

高機能でリーズナブルですが、
Lenovoのパソコンには「危険性があるのでは」というイメージが付きまといます。

Lenovoと言うよりも、中国メーカーの通信機器全般に対して危険性を感じている
日本人が多くなっているのです。

しかし現状では「Lenovoのパソコンは危険」と言い切れるほどの証拠はありませんから、
中国メーカーのパソコンとしては比較的安全に使えます。

Lenovoのパソコンが危険と言われる理由

単なるイメージではなく、
Lenovoのパソコンにはいくつか危険と言われる理由があります。

危険と言われる理由の1つとしてあげられるのが「中国政府との関係」です。

元々Lenovoは中国政府の研究機関である中国科学院の所員によって設立された
会社です。

政府系研究機関の所員が設立したことは良いのですが、
問題は中国政府が間接的にLenovoの株を所有していることにあります。

Lenovoの筆頭株主は「Legend Holdings」という持株会社なのですが、
このLegend Holdingsの筆頭株主が中国科学院なのです。

中国科学院は中国政府の研究機関ですから、Legend HoldingsやLenovoに対して
中国政府は影響力を発揮しようと思えばできます。

現状でLenovoは中国政府の影響を強くは受けていませんが、
今後受ける可能性は否定できないので危険と考えられているわけです。

情報流出疑惑

過去に情報流出疑惑が発生したことも、
Lenovoのパソコンで危険性が指摘される要因となっています。

2014年9月~12月に出荷されたLenovoのパソコンに、
「Visual Discovery」という広告ソフトがプリインストールされていました。

Visual Discoveryには無断でIDやパスワードを解除してネットワーク上に公開する
機能が備わっていたのです。

ソフト自体はLenovoが開発したものではありませんが、Lenovoが情報を
抜き取るつもりでソフトをプリインストールしていたのではないかと疑われました。

Lenovoは情報を抜き取る目的を強く否定しており、
ソフトを完全に削除するためのツールを公開しています。

現在はLenovoパソコンで同様の問題は発生していませんが、
2014年のイメージからLenovoパソコンに危険性を感じている人も少なくありません。

スパイウェア疑惑

プリインストールされていたソフトではなく、
Lenovoのパソコン自体にもスパイウェア疑惑がかけられたこともあります。

2015年にLenovoの「ThinkPad」にスパイウェアが搭載されている疑惑が浮上しました。

バックグラウンドでパソコン内のデータを送信していたため、
「スパイウェアではないか」と疑われたわけです。

これもLenovoは強く否定、今後の製品開発のために情報を集めているだけで
個人を特定できる形で情報は収集していないと発表しています。

実際に他メーカーのパソコンでも、製品開発のためにバックグラウンドでデータが
メーカーに送信されていることがあります。

ただ先の情報流出疑惑と中国メーカーという条件が加わると、
Lenovoにスパイウェアの疑いをかけたくなるのも仕方ありません。

ファイブ・アイズがLenovoパソコンを排除?

2023年7月にオーストラリアのメディアが、ファイブ・アイズが「ハッキングに弱い」として
Lenovoパソコンの使用を禁止したと報じました。

ファイブ・アイズは
 ・アメリカ
 ・イギリス
 ・カナダ
 ・オーストラリア
 ・ニュージーランド
の英語圏5か国で機密情報共有の枠組みのことです。

ファイブ・アイズがLenovoパソコンを排除した報道を見聞きした人が、
Lenovoパソコンに危険性を感じるのは当然です。

ただオーストラリア国防省は、ファイブ・アイズがLenovoパソコンを使用禁止にした
報道内容を公的に否定しています。

機密情報に関することなので国防省が本当のことを言っていない可能性もありますが、
公的に否定した以上はそれ信じる以外にはありません。

まとめ

Lenovoは中国に本社を置く中国企業で、
多くのLenovoブランドのパソコンは中国で作られています。

高性能なのにリーズナブルでコスパが高く、
パソコンは2013年以降世界で一番売れ続けているのです。

現状では安全に使えますが、Lenovoは間接的に中国政府の影響を受けており、
今後セキュリティリスクが発生する恐れもあるので購入は慎重に検討しましょう。

   
   

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