こんにちは、ノラです^^
先日私の実家の水道が水漏れしてるらしいってことで、
業者さんにお願いして点検してもらうことになったの。
点検の結果は水漏れの原因は配管の一部老朽化で、
配管を交換してもらって実家の水漏れ問題は一応解決したわ。
業者さんが点検に来る日、私はたまたま休みだったから
興味本位で点検に立ち会ったんだけど、業者さんが点検中にチーズがどうとか
エルボがなんだとかって言ってたのよ。
何のことか分からなかった私は「何で水道の配管にチーズが落ちてるの?」って
不思議に思って、点検後に業者さんに尋ねるとともに
自宅に帰ってから水道の配管について調べてみたわ。
そこでチーズとは一体何なのかなど、水道の配管について詳しく見ていきましょう。
チーズは継手の一種
実家の水漏れ点検が終わった後に、
業者さんにチーズについて尋ねたら「配管に使う継手の一種」だと教えてくれたわ。
現在水道の配管に主に用いられてる「ポリブデン管」と言われる樹脂製の管で、
この管は柔軟性があるから、ある程度は曲げることができるのよ。
実際にホームセンターなんかで販売されてるポリブデン管を見ると、
電気のケーブルみたいに輪っか状に束ねられてたりするわ。
比較的最近建てられた家にはこのポリブデン管が使われてるんだけど、
築25年以上の家だと
・塩化ビニール管(塩ビ管)
・銅管
・鉄管
・ステンレス管
なんかが使われてるの。
塩ビ管は樹脂製だけどポリブデン管に比べると柔軟性が無く、
それ以外の管は全て金属製で当然簡単に曲げることはできないのね。
台所やお風呂、洗面所、トイレなどに水道の配管を行き渡らせるためには
配管を曲げる必要があり、簡単に曲げられない素材の管を曲げたり分岐させたり
するのに継手が使われるのよ。
チーズはT字型の継手
配管の継手にはチーズの他に
・エルボ
・ソケット
・レジューサー
などいくつか種類があるのよ。
まず「チーズ」はT字型の継手のことで、
水道の配管を途中で分岐させるのに使われるわ。
次の「エルボ」はL字型やU字型の継手で、
簡単に曲げられない配管を曲げる時に使われる継手なのね。
「レジューサー」は出口と入口の口径が違う継手で、
サイズの違う配管同士を繋げるのに使うの。
ちなみに「異径チーズ」と言われる継手もあって、これはチーズとレジューサーの両方を
兼ねてて、分岐先がサイズの違う配管の時に使うのよ。
チーズはT字型だけじゃない?
チーズはT字型の継手のことなんだけど、
実はチーズの中にも色んな種類があって、中にはT字型でないものもあるわ。
一般的なT字型の継手はチーズで、
Tの横棒部分と縦棒部分の口径が違うのが異径チーズよ。
四角い形の配管と丸い配管がT字型に繋がった「異種チーズ」なんてのもあるし、
T字の縦棒部分が真っすぐじゃなく90度上下に曲がってる「3次元チーズ」もあるのね。
Tの横棒部分に少し角度が付いてY字型になってるのが「Y型チーズ」、
Tの縦棒と横棒が高速道路の合流部分みたいに繋がってるのが「ベンドチーズ」なの。
ベンドチーズはキレイな曲線でTの縦棒と横棒が繋がってるんだけど、
カクカクした感じで繋がってると「ドレーンチーズ」になるわ。
配管の継手がチーズと言われるのはなぜ?
形も性質も全く違うのに、水道の配管で使われる継手が食品であるチーズと
呼ばれてることに疑問を感じるわよね。
エルボは英語で肘を意味するelbowから来てるから、
配管の知識が無くても何となく曲がった継手だってことは分かるわ。
レジューサーは英語で減らすという意味のreduceから来てて、言葉の意味が分かれば、
口径の大きい配管と口径の小さい配管を繋ぐ継手ってことが理解できるわね。
配管の継手であるチーズの語源について調べてみたんだけど、
諸説あって特に有力なものは無いみたいなの。
しいて継手のチーズの語源として紹介するとすれば、
「tee’s」が変化したものということかしら。
英語のtee'sには「(アルファベットの)ティーの」という意味があり、
T字型の継手のことを当初は「ティーズ」と呼んでたとかなんだとか。
このティーズが少しずつ変化していって、
現在ではチーズと言われるようになったんじゃないかってことみたいね。
他にも、
日本語でT字のことを指す「丁字」が変化してチーズになったといった説もあったわ。
いずれにしても食品のチーズが継手のチーズの語源じゃなくて、
T字の「T」や「丁字」といった継手の形を表す言葉が変化してチーズになったのよ。
継手の素材ごとの違い
継手にはチーズやエルボなど形による違いもあるんだけど、
継手の素材による違いもあるわ。
一般的な住宅の水道配管で継手として使われてるのが「塩ビ継手」よ。
塩化ビニールで作られた継手のことで、重量が軽くて価格も安いものの、
ある程度の強度があって耐候性にも優れてるのが塩ビ継手の特徴。
塩ビの強度は鉛の3倍、アルミと同程度で、
塩ビ管や塩ビ継手の耐用年数は何と50年以上とも言われてるわ。
さらに樹脂製のため錆や腐食とは無縁で、
埋没敷設でも土壌による影響をほとんど受けないの。
また継手内面の摩擦抵抗が少ないから、
水垢や異物が沈着して水の通り道が狭くなるといったこともないのよ。
塩ビは水との相性が良い素材なので、一般的な住宅の水道管だけでなく、
公共の給排水設備にも塩ビ管や塩ビ継手が使われてるのね。
ただ極端な高温・低温には弱く、
直射日光に当たると紫外線の影響で劣化が早まるといった弱点もあるわ。
工業用としてよく使われる黒継手・白継手
一般的な住宅でよく使われる塩ビ継手に対して、
工場など工業用としてよく使われるのが「黒継手」と「白継手」よ。
どちらも黒芯可鍛鋳鉄製、簡単に言うと金属製の継手で、
表面が加工されてないと色が黒くなるから表面加工されてないものを黒継手と呼ぶの。
黒継手に対して、表面にメッキ加工を施したものを白継手と呼ぶのね。
300℃の超高温から-20℃の超低温まで対応できるし、耐油性もあるから、
工業機械の冷却配管なんかに使われることが多いみたい。
配管の主役と言われるステンレス継手
現在建築などの分野で「配管の主役」とも言われているのが、ステンレス継手なのよ。
ステンレスは耐食性に優れてて、
しかも塩ビ継手などと違って中を通す物を選ばないという特徴があるわ。
水や油はもちろん腐食の原因となる塩分を多く含む海水用の配管としても使えるし、
ガスなどを気体用としても使われてるの。
工業プラントや発電所の配管にステンレス継手が使われてて、身近なところだと
自動車とか航空機の冷却水とか油圧関係の配管にも使われてるみたいね。
ただ価格が塩ビ継手や黒継手・白継手なんかに比べるとかなり高額だから、
DIYではちょっと使いにくいかもしれないわ。
ちなみに同じチーズでも、塩ビだと1つ30円程度、白継手だと1つ140円程度、
ステンレスだと1つ400円以上と塩ビの10倍以上、白継手の3倍程度となってるの。
空調機器やトイレの配管で使われる銅管継手
身近なところだとエアコンやトイレの配管としてよく使われてる「銅管継手」、
銅管とは言うものの純粋な銅じゃなくていわゆる真鍮で作られてるの。
黄色に近い黄銅は65%の銅に35%の亜鉛を混ぜたもので、
黄銅より少し白みがかった青銅は90%の銅に10%の錫を混ぜたものよ。
金属の中でも銅は比較的柔らかいから、
継手などで使われる場合には亜鉛や錫などを混ぜて強度を上げるのね。
ちなみに、多少配合比率が違うけど、五円玉や金管楽器なんかに黄銅が使われてて、
十円玉とか大きなスポーツ大会の銅メダルには青銅が使われてるわ。
銅は熱伝導率に優れてるから、
冷媒配管用の継手としてエアコンや冷凍庫なんかに使われることが多いの。
また他の金属に比べると耐食性も高いってことで、
水洗トイレの給排水管などにも銅管継手が使われることが多いのよ。
価格的にはチーズ1つ350~400円ぐらいで、ステンレス継手よりはちょっと安いけど、
黒継手・白継手よりは高いわね。
最近の配管ではチーズなどの継手は使われない?
私の実家のように、
築25年以上の家では配管にチーズなどの継手が使われてるのが一般的よ。
ところが築年数が25年よりも短い、特にこの10年以内に建てられたような家だと、
配管にチーズなどの継手は使われてない可能性が高いわ。
実はこの25年の間に一般的な住宅の水道配管の方法が大きく変わったため、
最近はチーズなどの継手が使われなくなったのね。
25年前までは「先分岐工法」が住宅の水道配管の主流で、その後「ヘッダー工法」が
登場したことで現在の住宅建設ではヘッダー工法が主流になってるの。
水を使う場所で配管を分岐させる先分岐工法
25年前まで主流だった先分岐工法は、
水を使う場所で配管を分岐させる配管方法なのよ。
例えば大元の給水管と給湯器に繋がる給湯管があって、
それが大元から一番遠い位置にある水場のお風呂に繋がってるとするじゃない。
大元からお風呂までの間にある台所やトイレ、洗面所、洗濯機などの水場に、
それぞれ配管を分岐させて水が出るようにするってわけ。
大元の給水管や給湯器が木の根っこだとして、一番遠い位置にあるお風呂は
木の幹の先、その間にある台所などの水場は枝とするともう少し分かりやすいかしら。
木の幹に当たる部分から枝に当たる部分に配管を分岐させるのにチーズを使い、
根っこから幹の先まで真っすぐに配管が伸ばせない場合にエルボを使って
配管を曲げるのよ。
先分岐工法の「先」は、「先に分岐させる」って意味じゃなくて、
「配管を設置した先で分岐させる」って意味なのね。
先分岐工法のメリット・デメリット
先分岐工法の最大のメリットと言って良いのが、
ヘッダー工法に比べると配管工事が簡単なことよ。
メインとなる1本の配管があって、
それを必要に応じて分岐させるだけというシンプルな工事で済むわ。
また先分岐工法だと配管に必要な材料も少なくなるから、
配管工事にかかる費用を抑えられるというメリットもあるのよ。
ただ配管を分岐させるのにチーズなどの継手を使うため、
継手部分の劣化や緩みなどによる漏水のリスクが先分岐工法には伴うよねぇ。
しかも漏水が発生した場合には、床下に潜って配管を辿って、
どこで漏水してるのかを探さなきゃダメなの。
配管を交換するとなった場合にも手間がかかるから、配管自体の費用は安くても、
メンテナンスにかかる費用が嵩む恐れがあるわ。
さらに先分岐工法では1本の配管を分岐させてるので、
複数個所で同時に水やお湯を使用すると流水量が少なくなっちゃうの。
そう言えば、私が実家でシャワーを使ってる時に母が洗い物や洗濯を始めると、
私は私でシャワーの勢いが弱くなると愚痴り、母は母で全然水が出ないと
愚痴ってたのを思い出したわね。
大元付近で分岐させるヘッダー工法
先分岐工法が必要な場所で配管を分岐させるのに対して、
ヘッダー工法では配管の大元付近で分岐させるのよ。
大元となる給水管や給湯管を、最初に
・お風呂
・台所
・洗面所
・トイレ
・洗濯機
といった水やお湯を使う場所ごとに分岐させるの。
そして分岐させた部分からお風呂や台所などに1本の管を通すのが、
ヘッダー工法なのね。
身近なもので例えるなら、先分岐工法は1つのコンセントをタコ足配線で使うみたいな
ことで、ヘッダー工法は必要な分だけコンセントを設置するといった感じかしら。
先分岐工法では塩ビや金属製の管・継手を使うことが多いんだけど、
ヘッダー工法ではポリブデン管というものを使うのよ。
ポリブデン管は塩ビ管と比べても柔軟性があって、
エルボを使わなくても90度以上曲げることができるわ。
だから大元と水場を1本の管で繋ぐことができ、
継手を使って延長させたりだとか分岐させたりする必要が無いってわけ。
さや管ヘッダー工法と被覆ヘッダー工法
実はヘッダー工法には
・さや管ヘッダー工法
・被覆ヘッダー工法
の2種類あるのよ。
「さや管ヘッダー工法」は、
給水管や給湯管をさや管と言われる管の中に通して配管する方法のことなの。
ポリブデン管はある程度丈夫なものの、
むき出しでは漏水のリスクがあるので、さや管で保護するわけね。
さや管ヘッダー工法では、先にさや管を配管してから
その中に給水管や給湯管となるポリブデン管を通すことになるわ。
「被覆ヘッダー工法」は、発泡被覆が施されたポリブデン管を配管する方法のことよ。
さや管ヘッダー工法では給水管や給湯管とそれを保護するさや管が分かれてるけど、
被覆ヘッダー工法では給水管や給湯管と保護する管が一体になってるのね。
そのため、さや管ヘッダー工法だと先に配管したさや管に給水管や給湯管を通すことに
なるけど、被覆ヘッダー工法なら給水管や給湯管を配管するだけで良いの。
数年前までは、戸建て住宅には被覆ヘッダー工法、
マンションなど集合住宅にはさや管ヘッダー工法が用いられることが多かったわ。
でも最近は集合住宅でも被覆ヘッダー工法を用いることが多くなってきてて、
被覆ヘッダー工法が主流となってきてるみたいね。
ヘッダー工法のメリット
ヘッダー工法のメリットとして、家の住人からすると複数個所で同時に水を使っても
水量が変わらないということが挙げられるわ。
先分岐工法だと、1本の給水管・給湯管を分岐させるから、
お風呂と台所など複数個所で同時に水を使うとどうしても水量が減っちゃうの。
ところがヘッダー工法だと大元のところで分岐させてて、水場ごとに1本の給水管・
給湯管が配管されてるから、複数個所で同時に水を使っても水量が減らないのよ。
それからヘッダー工法では基本的にチーズなどの継手を使わないから、
先分岐工法に比べると漏水のリスクが低いのね。
もし漏水したとしても、水場ごとに給水管・給湯管が違うから、
どこで漏水してるかが見つけやすいの。
さらに漏水してる給水管・給湯管を交換する際も、大元の分岐させてる部分と水場に
接続してる部分を外して片方から管を引っ張れば簡単に外すことができるわ。
またさや管ヘッダー工法であれば、新しい給水管・給湯管を通すのもさや管の中を
通すだけだから管の交換も簡単なのよ。
ヘッダー工法のデメリット
ヘッダー工法のデメリットとしては、水場ごとに給水管・給湯管が必要になるから、
配管に使う材料が多くなることね。
使う材料が多くなれば、配管工事にかかる手間も増えるし、
結果的には配管工事の費用が嵩んじゃうのよ。
また配管工事を行う業者さんからすると、ヘッダー工法だと事前にしっかりと配管計画を
立てないといけないこともデメリットになるわ。
建物ごとに水場の位置が違うし、電気やガスの配線・配管との兼ね合いも考えて、
どうやって大元と水場を管で繋ぐかを考えなきゃいけないのよね。
家の住人からするとデメリットじゃないけど、
業者さんは手間が増えた分を費用に上乗せするかもしれないわ。
そうすると、ただでさえ先分岐工法よりもヘッダー工法は費用が嵩むのに、
事前の配管計画のせいでさらに費用が高くなっちゃう恐れもあるの。
先分岐工法では配管自体にかかる費用は安く済むけど、
交換などメンテナンスにかかる費用が高くなるデメリットがあるわ。
それに対してヘッダー工法は、交換などメンテナンスにかかる費用は安く済むものの、
最初の配管にかかる費用が高くなるデメリットがあるのね。
まとめ
配管の継手であるチーズのことや住宅の水道配管の工法などについて、
できるだけ分かりやすく紹介・説明したわ。
配管におけるチーズは食べるものじゃなくて、
配管を分岐させたり合流させたりするのに使うT字型の継手のことよ。
肝心の水道配管では使う機会が少なくなってきてるけど、
築年数が25年以上の建物では現在でも重要な役割を果たしてるのね。
チーズに関する知識がDIYでどう活かせるのか私には分からないけど、
参考になったんだったら嬉しいわ。