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HIDISCを徹底解剖、コスパが高いという評判の裏側

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最近は100円ショップで「HIDISC」なるブランドのモバイルバッテリーやSDカードを
見かけることがあります。

あまりに安すぎて警戒している人も多いはずなので、
HIDISCとはどういったブランドなのか評判はどうなのかなどを詳しく見ていきましょう。

     
   

HIDISCは日本企業のブランド

HIDISC製品を製造・販売しているのは「磁気研究所」という会社で、
東京の秋葉原に本社を置く日本のメーカーです。
(参照:https://www.mag-labo.com/?page_id=68)

創業は1979年で、
当初からフロッピーディスクなどの記録メディアを専門的に取り扱っています。

現在はモバイルバッテリーやワイヤレスイヤホンなども取り扱っていますが、
SDカードなどの記録メディアが主要製品なのは変わりません。

創業者で現社長でもある齋藤邦之氏は「フロッピーディスクを日本で初めて販売した」
と自称しています。
(参照:https://www.youtube.com/watch?v=owLlmq1ovBQ)

色々と調べてみましたが、齋藤氏以外にも同様のことを言っている人物が居るようで
実際のところは分かりません。

ただ齋藤氏には日本における記録メディアの先駆者としての自覚があり、
自社の記録メディアに自信を持っていることが現れた発言なのではないでしょうか。

HIDISCなら記録メディアが何でも揃う?

HIDISCではあらゆる記録メディアを取り扱っており、
記録メディアなら何でも揃うと言っても良いぐらいです。
(参照:https://flashstore.jp/)

スマホや家庭用ゲーム機などで使うmicroSDカード、
パソコンで使うUSBメモリーやDVD-Rなどはもちろん「SSD」も取り扱っています。

SSDは「Solid State Drive」の略でパソコンなどで使われる記憶装置のことで、
パソコンのストレージとして最近はSSDを使うのが主流です。

HIDISCでは外付けのSSDだけでなく内蔵型のSSDも販売しており、
パソコンを自作する場合などに使われます。

他にも現在一般的にはほとんど使われなくなった
 ・フロッピーディスク
 ・MOディスク
 ・カセットテープ、マイクロカセットテープ
 ・DLT
 ・オープンリール
などの記録メディアの新品をHIDISCでは取り扱っています。

厳密に言うと他社製品を在庫として持っているだけですが、
HIDISCの公式ストアで製造が終了してしまった記録メディアが新品で購入可能です。

個人ではフロッピーディスクなどのレトロメディアを使うことは無いものの、
企業ではまだ現役で使われていることがあるとのことです。

実際に市役所などの公的機関や病院には、
3.5インチのフロッピーディスクでデータを管理しているところが少なからずあります。

以前、町役場が給付金を誤って1人の住民の口座に振り込んだことがありましたが、
この際にデータ管理にフロッピーディスクを使っていることが問題視されました。

銀行の顧客システムを作っている会社がMOディスクを
大量に購入しにきたことがあると、HIDISCの幹部がインタビューで答えています。

オンラインでデータを管理するのは簡単で便利ですが、
サイバー攻撃などで抜き取られるのも簡単です。

しかしフロッピーディスクやMOディスクなどオフラインで管理しておけば、
物理的に盗まれない限りはデータを抜き取られる心配がありません。

また記録メディアを変更するにはシステムごと変更しないといけないケースもあり、
現在もフロッピーディスクなどのレトロメディアの需要は無くなっていないのです。

データを守る製品も作っている

HIDISC製品を製造・販売している磁気研究所では、
データを保存するメディアだけでなくデータを守る製品も作っています。

例えばパソコンやスマホなどの通信機器に内蔵するAI搭載メモリ、
スマホの電磁波遮断シールドです。

AI搭載メモリは、
外部からの不正なアクセスをAIが事前に検知して遮断する機能を備えています。

これまでサイバー攻撃に対しては受けた後に対処するしかありませんでしたが、
AI搭載メモリなら事前にサイバー攻撃を防げるのです。

電磁波遮断シールドはスマホを入れる袋のようなもので、
スマホを入れると一切の通信ができなくなります。

「使い道あるの?」と思うかもしれませんが、政府要人が海外を訪れる際などに
使うもので海外の要人は一般的に使っているようです。

日本は総じてデジタルに強くないので、磁気研究所が開発したことで最近になって
ようやく政府要人が電磁波遮断シールドを使うようになったとのことです。

データ復旧サービスも行っている

データ関連の製品だけでなくデータ復旧のサービスも磁気研究所では行っています。(参照:https://www.mag-labo.com/?p=2181)

HIDISC製品のデータ復旧はもちろん、
他社の記録メディアのデータ復旧の依頼も可能です。

最近は大事なデータに意図的に解除しにくいロックをかけて会社を辞めるといった
ケースがあり、企業からのデータ復旧の需要が高まっています。

また詐欺事案では事後に音声データを消去するので、
消去された音声データの復旧を海外の警察機関から依頼されることもあるそうです。

HIDISC製品は中国製?

HIDISCは日本メーカーのブランドですが、製品自体は日本では作っていません。

HIDISC製品を作っているのは「東アジア諸国」で、
どこの国で作っているか明確にされていません。

開発拠点は日本・イスラエル・韓国にあるので、自社で開発したものを
東アジア諸国の現地事業者に生産を委託していると思われます。

また中国や韓国の事業者の製品をHIDISCブランドで販売していることもあるようです。

中国など比較的人件費の安い国で生産することで、
HIDISC製品を安く販売することに繋げているわけです。

中国製だから低品質は間違い

HIDISC製品が中国などで作られていると聞いて
「使わない方が良いかも」と思った人も居るのではないでしょうか。

日本では中国製を敬遠する傾向が強いですが、
デジタル機器に関しては中国は日本よりも先進的です。

中国には世界的な電子機器メーカーの工場が多くあり、
日本向けのハイブランドデジタル機器の多くは中国で作られています。

また中国製が安いのは人件費が安いことに加えて、
部品調達から製造、最終チェックまで中国国内でできることにもあります。

部品調達から製品を販売する直前まで一貫してできるのでコストが抑えられて、
低価格で販売できるというわけです。

中国で作られている可能性が高いHIDISC製品も決して質が悪いわけではなく
単に人件費とコストを抑えているから安くなっているだけです。

HIDISC製品の評判

HIDISC製品は総じて「コスパが高い」という評判になっています。

性能の割に安く買えるということで、
例えば容量が16GB・スピードクラス10のmicroSDカードが最安320円で買えます。

他メーカーで16GB・クラス10のmicroSDカードは500~700円、
高いものだと1,000円を超えるのでHIDISCの320円はかなり安いです。

性能的にも問題は無く、デジカメで4Kの高画質撮影をしても途中で止まったり、
スペック不足の警告が出ることはありません。

読み込み速度や書き込み速度も十分で、
価格の割にはスペックがしっかりしていてコスパが高いと評判なのも納得です。

microSDカードはデバイスの対応規格に注意が必要

HIDISCのmicroSDカードの評判を調べていると、特に64GB以上の大容量の
モデルで「読み込めなかった」という意見がちらほら見られました。

もちろん購入したHIDISCのmicroSDカードに問題があったケースもあるでしょうが、
デバイスの対応規格に合っていなかっただけの可能性があります。

SDカードやmicroSDカードには規格があり、
 ・~2GB SD
 ・4GB~32GB SDHC
 ・64GB~ SDXC
となっています。

比較的新しいデバイスであれば現状で最上位のSDXCに対応しているので、
SDやSDHCも含めて使用可能です。

しかし少し古いデバイスだとSDHCまでしか対応しておらず、
SDXCのmicroSDカードでは読み込みエラーとなってしまいます。

microSDカードのレビューで「読み込めない」としているものには、デバイスと
microSDカードの規格が合っていないものが含まれている可能性があります。

モバイルバッテリーはやや力不足

100円ショップなどで販売されているHIDISCのモバイルバッテリーは
少し力不足な面があるという評判です。

市販されているモバイルバッテリーは表示容量よりも実容量が少ないのが一般的で、
表示容量の60%強が平均となっています。

HIDISCのモバイルバッテリーは表示容量に対する実容量の割合が65%を超えていて、
実容量は他メーカーよりも優秀です。

ただHIDISCのモバイルバッテリーは出力が他メーカーよりも少し弱いです。

要するに、ノートパソコンやスマホをモバイルバッテリーに繋いで充電する際の
パワーが少し弱いことになります。

スマホや小型のモバイルパソコンなら問題ありませんが、
大き目のノートパソコンだと電力不足で充電できない恐れがあります。

DVD-Rは書き込みエラーや再生不良が多い?

通販サイトのHIDISCのDVD-Rについての購入者レビューには、
「書き込みエラーや再生不良が多い」といったものが少なからず見られます。

20枚パックや50枚パックといったまとまった枚数のHIDISCのDVD-Rで、
20枚や50枚のうちの数枚で書き込みエラーや再生不良が発生したというものです。

まとまった枚数のパックでDVD-Rを購入すると、初期不良のロットが混ざっているので
エラーや不良が数枚発生するのは仕方ありません。

HIDISCに限ったことではなく他メーカーのDVD-Rでも同様のことはあるので、
特段HIDISCのDVD-Rが酷いわけではないです。

     
   

まとめ

HIDISCは、
東京の秋葉原に本社がある磁気研究所という日本メーカーの製品ブランドです。

価格は安いですが性能的にも問題は無く「コスパが高い」と評判ですから、
SDカードやモバイルバッテリーを購入する際はHIDISCも検討してみてください。

   
   

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