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台湾のパソコンメーカーが世界の新しい潮流を作っている

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台湾には有名なパソコンメーカーがいくつかありますが、中国のメーカーと混同して
どれが台湾メーカーが分からなくなっている人も少なくありません。

そこで今やパソコン購入の際の大きな選択肢である台湾のパソコンメーカーについて
詳しく見ていきましょう。

     
   

台湾メーカーのエース格「Acer」

台湾のパソコンメーカーとしてエース格と言えるのが「Acer」です。
(参照:https://www.acer.com/corporate/en)

1976年創業で、
当初は日本を含めた海外メーカーのパソコンのOEM生産を行っていました。

他メーカーのパソコン生産で蓄積したノウハウを生かして1981年に自社ブランドの
パソコンを開発、パソコンメーカーとしての道を歩み始めます。

ネット回線とのセットで格安販売するなどして日本を含めた世界で販路を広げて、
2009年の第3四半期にはパソコンシェアで世界2位となります。

その後中国メーカーの台頭によって世界ランクを落とすものの長くトップ5の地位を保ち、
2022年現在パソコン世界シェア6位のトップメーカーです。

Acerのパソコンは中国製

Acerは台湾メーカーですが、Acerのパソコンは中国で作られています。

かつては他メーカーのOEM生産を行っていましたが、
現在のAcerはファブレスメーカーで特定の工場は持っていません。

Acerが設計して中国の事業者に生産を委託するといった形でパソコンの生産しており、
日本で販売されているAcerのパソコンはほとんどが中国製です。

日本では中国で作られた製品にあまり良い印象がありませんが、
パソコンを始めとした電子機器に関しては今や中国は一大生産地となっています。

政治的には対立しているアメリカのメーカーも中国で生産を行っていますし、
世界中の電子機器メーカーが中国の工場で製品を作っています。

世界有数の技術者と最先端技術が中国に集まっていますから、
中国で作られるパソコンを始めとした電子機器は性能が良いのです。

また部品調達から製造、最終チェックまで中国国内で一貫して行えるので、
コストが削減できて販売価格を抑えられます。

かつて「Made in China」は安かろう悪かろうの代表でしたが、
現在電子機器における「Made in China」は安くて良い物の代名詞となっているのです。

Acerのパソコンの特徴

Acerのパソコンは「価格が安い」ことが大きな特徴の1つとなっています。

例えばノートパソコンは公式オンラインストアでは6万円台から購入できますし、
通販サイトであれば3万円台から購入可能です。
(参照:https://store.acer.com/ja-jp/notebooks?product_list_mode=grid&product_list_order=price_asc)

もちろん価格なりの性能にはなってしまいますが、
ネットサーフィンや動画視聴などの普段使いであれば全く問題ありません。

ノートパソコンに比べるとデスクトップパソコンは取り扱いモデルが少なく、
デスクトップパソコンが欲しい場合には選択肢から外れるケースが多いです。

家電量販店やパソコンショップでもAcerのパソコンは取り扱われているので、
実際に使い勝手を確認してから購入できます。

勢いに乗る「ASUS」

台湾のパソコンメーカーで現在勢いに乗っているのが「ASUS」です。
(参照:https://www.asus.com/jp/)

1989年に設立され、現在はパソコンやスマホなどの電子機器も作っていますが
当初はマザーボードをメインに作っていました。

1990年代にパソコンを自作していた人にとっては、
ASUSはパソコンメーカーというマザーボードメーカーの印象が強いとのことです。

長らく同じ台湾のパソコンメーカーであるAcerの後塵を拝していましたが、
2022年度のパソコン世界シェアでAcerを上回る5位となっています。

ASUSの読み方問題

今や世界で5本の指に入るトップメーカーとなったASUSですが、
現在でも「ASUS」を何と読むのか分かっていない人も少なくありません。

現在の公式な読み方は「エイスース」です。
(参照:https://www.asus.com/jp/about_asus/about-asus-history-name/)

しかし日本に入ってきた当初の読み方は「アスース」で、
日本法人の社名もアスース・ジャパンでした。

日本ではアルファベットの読み方がローマ字と英語で違うことから、
エーサスやアサス、エイスースなど間違って読まれることも少なくなかったのです。

アメリカでは「エイサス」、中国では「ファーシュオ」などと読まれており、
ASUSが訂正しなかったため正しい読み方が定着しませんでした。

2012年にようやく読み方を正式に「エイスース」と定めて、
日本法人の社名もアスース・ジャパンからASUS JAPANに変更しています。

ASUSのパソコンの特徴

ASUSのパソコンの特徴して挙げられるのが「ラインナップの豊富さ」です。

性能はそれなりで価格の安いエントリーモデルからゲーマーやクリエイター向けの
高性能・高価格のハイスペックモデルまでASUSには揃っています。

ラインナップが豊富なのでASUS内の比較検討だけで自分の使い方に合った
パソコンが見つけられるのです。

また最近は取り扱うメーカーが少なく見かけることが少なくなった、
モニター一体型のオールインワンパソコンもASUSでは取り扱っています。

ただ公式オンラインストアではセールがあまり行われないので、
他メーカーに比べると少し割高な印象も強いです。

BTOメーカーではないのでパソコンのカスタマイズはできず、
メモリやストレージの増強といった簡単なカスタマイズもできません。

     
   

ゲーミングパソコンの「MSI」

特にゲーミングパソコンで有名な台湾のパソコンメーカーが「MSI」です。
(参照:https://jp.msi.com/)

1986年にソニーの元技術者によって創業、
MSIは正式な社名「Micro-Star International」の略称です。

MSIはゲーミングパソコンで有名ですが、創業当初から作っているマザーボードや
ビデオカードでは現在でもトップメーカーに位置しています。

ゲーミングパソコンに代表されるようにゲーマーから支持が厚く、
現在多数のeスポーツプロチームのスポンサーも務めています。
(参照:https://www.msi.com/Gaming-Team)

サイバー攻撃による情報流出

MSIでは2023年4月にサイバー攻撃による情報流出事案が発生しています。
(参照:https://www.msi.com/news/detail/MSI-Statement-141688)

データベースやソースコードなど1.5TBの情報が盗まれた上、
MSIが身代金支払いを拒否したため流出した情報が公開されてしまいました。

幸いユーザー情報は流出しませんでしたが、パソコンメーカーがサイバー攻撃を受けて
情報が盗まれたことには大きな不安を感じます。

MSIのパソコンの特徴

MSIと言えばゲーミングパソコンですが、
ゲーミングパソコンのラインナップの豊富さは随一です。

ゲーミングパソコンは高性能で高価格なイメージが強いですが、
MSIでは比較的安いエントリーモデルのゲーミングパソコンも取り扱っています。

eスポーツで使われるハイスペックモデルには50万円を超えるものもありますが、
エントリーモデルなら14万円台から購入可能です。
(参照:https://jpstore.msi.com/shopbrand/GamingNote/page1/price/)

ゲーミングパソコンは効率的に排熱するため本体が分厚くなっていることが多いものの、
MSIのゲーミングパソコンは薄型なのも特徴です。

ただMSIのゲーミングパソコンはカスタマイズができず、マザーボードやビデオカードの
トップメーカーでありながら最新パーツが組み込まれるのが遅いとされています。

ハイエンドノートパソコンの「GIGABYTE」

先に紹介した3メーカーよりも少し知名度は落ちますが、
台湾のパソコンメーカーとしては「GIGABYTE」も有名です。
(参照:https://www.gigabyte.com/jp)

1986年設立で、個人向けだけでなく法人向けのパソコンを取り扱っているメーカーです。

元々はASUSやMSIと同様にマザーボードやグラフィックカードといったPCパーツの
メーカーで、マザーボードは世界でもトップクラスのシェアとなっています。

パソコンはデスクトップ型も取り扱っていますが、
ノート型で特にゲーマーやクリエイター向けのハイエンドモデルがメインです。

近年は液晶モニターの製造にも力を入れており、ゲーミングパソコンから派生する形で
 ・高リフレッシュレート
 ・HDRサポート
 ・QHD、4Kなどの高解像度パネル
などを採用したハイエンドモデルの液晶モニターも作っています。

GIGABYTEのマザーボードで脆弱性発見

2023年6月にGIGABYTEのマザーボードで脆弱性が発見されました。

GIGABYTEのマザーボードに鍵のかかっていないバックドアが組み込まれており、
悪意ある第三者に悪用される危険性があると指摘されています。

GIGABYTEは公式サイトでセキュリティを優先していると公言しています。
(参照:https://www.gigabyte.com/jp/Press/News/2091)

セキュリティを優先しているにも関わらず、悪用される危険性のある脆弱性を
見逃してしまっていることにユーザーとしては不安を感じざるをえません。

ちなみに2023年6月に発見された脆弱性に対しては修正が行われており、
現状で悪用されたという報告はありません。

GIGABYTEのパソコンの特徴

GIGABYTEのゲーミングパソコンの特徴は何といっても「高機能である」ことです。

ノート型には
 ・液晶モニター
 ・CPU
 ・GPU
に最上位モデルを搭載した、
ハイエンドモデルを超えるウルトラハイエンドモデルが存在します。

ハイエンドモデルを超える超高性能なゲーミングパソコンを取り扱っているメーカーは
少なく、国内のパソコンメーカーにはありません。

冷却システムも強力で、ゲームをプレイするのに必要なソフトも揃っており、
本格的にオンラインゲームをプレイするならGIGABYTE一択と言っても良いぐらいです。

ただ公式サイトの日本語化が十分でなく、ただでさえサポートが弱いと言われる
海外メーカーの中でもサポート面に不安を残します。

また完全に性能重視のため総じて高価格となっているため、
特にゲーム初心者には手が出しにくい点も少しマイナスです。

まとめ

台湾のパソコンメーカーをいくつか紹介しましたが、
現状では今回紹介した4メーカーが台湾のトップ4です。

それぞれにメーカーとして違った特徴を持っており、台湾のパソコンメーカーだけで
比較検討しても自分に合ったパソコンを見つけやすくなっています。

   
   

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